2007年8月27日
おとぎの国と世界中の人々から絶賛され、またどこへ行っても美しい景観を楽しめるデンマークは、世界最高水準の福祉先進国としても知られています。
この国では、65歳以上であれば普通に暮らしていけるだけの年金が支給され、介護・医療等の社会サービスも無料。地域ごとに住民の健康管理を請け負ってくれるホームドクターが存在するといったシステムが構築されています。 また、これまで主流であった特別養護老人ホームという施設建設は禁止され、1987年以降は高齢者のための介護職員付き住宅の建設が盛んになっています。「人に管理される事なく自分の意志で日常生活を送る…年老いてからも住み慣れた地域での暮らしを継続したいという、極々自然な願望を叶えられる在宅ケアへと替わりつつあります。
このような高福祉国家では、国民は高い税金を納めていますが「サービスを受けるためには負担は当たり前」という自覚が浸透しているようです。
今回は、デンマークをはじめ、フィンランド、ニュージーランド、イギリス、アメリカの社会保障や福祉政策をご紹介しましょう。
イギリスの社会保障は「ゆりかごから墓場まで」と喩えられていますが、アンデルセン童話でもお馴染みのデンマークでは「ゆりかご以前から墓場以後まで」といっても過言ではないほど社会福祉が徹底されています。所得税約50%、消費税25%という高い税金に支えられていますが、介護だけを目的とするのではなく「自立して生活することを支援する政策」や介護に従事する人の労働環境整備も進められています。
「オーロラ」「サンタクロース」「ムーミン」で有名なフィンランドも、高福祉国家であると同時に高税率国家です(消費税率平均22%)。教育にも力を入れているため、義務教育はもちろん大学卒業まで授業料無料で本は免税。また障害者が利用する車のガソリン税への免税など全ての人に平均に一定水準の基本サービスが受けられるようになっています。これらの社会保障は、たとえ障害者でサービスを受けていても受け取っている年金から納税をするといった、各個人の自立と自覚で成り立っています。
ニュージーランドは国立公園があちこちに存在する環境先進国で、温暖な気候や火山や温泉、山脈等日本と似ている点も数多くあります。社会福祉の特徴は基本的に受益者負担ではなく、税収入によって賄われており消費税は12.5%です。また、ニュージーランドで働き収入がある人は市民権、永住権の有無に問わず、所得税を支払う義務があります。 国民は、社会保障基金に掛け金を支払うなどの必要がなく、非納税者でも資格さえ満たしていれば国民年金などの社会福祉の恩恵を受けることができます。
障害福祉施策を障害当事者自身がつくる事はどの国を見ても殆ど存在しません。しかし、イギリスの障害福祉施策は日々の介助を利用する人々によって作られた制度なのです。そんな障害者運動を通して構築されたパーソナル・アシスタンスと、それを経済的に保障する為のダイレクト・ペイメントという制度の確立までに至った障害者運動には着目すべき点があります。
アメリカ合衆国はバリアフリーの先進国。ベトナム戦争などで負傷した多くの国民が車椅子生活を余儀なくされたのをきっかけに、法整備がされてきました。1990年、「アメリカ障害者法(ADA)」が制定され、公共交通機関や宿泊施設ばかりでなく、レストラン、映画館、スタジアム、小売店、ショッピングセンター、銀行、等々、不特定多数の人が利用する施設のすべてが、障害者用の設備を備えなければならない事になりました。障害者にとっては朗報ともいうべき法律をご紹介します。