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世界の派遣から
 
 
第6回:ニコラ・ケリーさん(ロンドン)

アイルランド出身の25歳。

ダブリンシティ大学でビジネスと日本語を専攻し、在学中に交換留学生として来日、上智大学で学ぶ。JETプログラム英語教員アシスタントとして過ごした後、ダブリン日本大使館で勤務、現在はロンドンにある日系企業において投資担当として活躍中。

高校時代から語学は得意で、ありきたりではない語学習得を目指して日本語を学習。文字も文法も異なる言語のため苦戦中だが、何事も完璧でないと気が済まない性格のため、現在も週1回の日本語会話コースに通って日夜努力を継続している。人なつこい笑顔が魅力の努力家。

ニコラ・ケリーさん
 
  イギリスでの働き方は、大きく分けて4つあります
 
 

 イギリスでの雇用形態は大別して「フルタイム(正社員)」「パートタイム(準社員)」「コントラクト(契約社員)」「テンポラリー(短期契約社員)」の4種に分かれます。パートタイムはほぼ正社員と同じですが、就業時間がフルタイムの社員よりも短く、中小企業や母親業と兼任する女性に多い就労形態。コントラクトとテンポラリーはエージェントを通して給料のやりとりが行われます。
 テンポラリー職が繁忙期にアシスタント業務を行うために採用されることが多いのに対して、コントラクト職は正社員と同様の責任が課される例が多く、数カ月後には、企業が直接雇用に踏み切るための、いわば正式雇用の準備期間と見なされることが多いようです。そのため、企業内では正社員・契約社員・コントラクト社員の区別はほとんどなく、充実感もちょっとした不満も同等に感じられるという利点があります。

 イギリスでは会社よりも職種に依存する例が多く、自分のキャリアを積んでより条件の良い企業に転職するのが通例です。ですから、契約社員といっても新卒からベテラン社員までその内容はさまざま。なかには独立できるほどの実力を持って、コントラクト職を渡り歩いている人も見られます。そのため、雇用形態によってその人の社会的地位が決定されることはないですね。

   
 
  正社員でないことのメリットを活かし、自分らしく働いています
 
 

 現在私のポジションは契約社員ですが、その利点はなんといってもフレキシブルな勤務体制。私はまだ就労経験が少ないので、就職活動をしてもすぐに正社員として雇ってくれる会社は限られます。それに自分の希望する条件を並べたら、チャンスはさらに低くなるでしょう。でも契約社員なら幅広い職種で募集が出されているし、正社員よりハードルも低くなるのでチャンスが一層広がります。実際の仕事に関わってから継続してキャリアを積むのもよし、合わなければさっさと諦めて別の仕事を探すこともできます。会社にとっても自分にとっても、相性を見る「お見合い期間」といったところですね。

 日本から戻ってきた時、せっかくなので身につけた日本語を使った仕事をしたいと思い、派遣会社(Recruitment Agency)に登録しましたが、あいにくダブリンでは日本語を使う仕事は限られていました。運良く就職できた大使館の仕事も、天皇・皇后両陛下がアイルランドに来るためのイベント準備要員で、訪問が終わると仕事も退屈になってしまって。日本語を使う仕事を紹介してくれる日系エージェントはロンドンに集中していたため、そちらへ登録。ロンドンの仕事を紹介してもらいました。
 日本語を使う仕事という条件以外は特に何も指定していなかったのですが、通訳をするには少々語学力不足な点があったので、メインが英語、時々日本語が使える今の仕事は非常に理想的です。ただ、金曜日の午後にアイルランドから出てきて面接、翌月曜日には勤務開始という慌ただしさで、家も決まらないうちに、週末荷造りをしてロンドンへ…当時は大変でしたね。

   
イギリスでは会社よりも職種に依存する例が多く、自分のキャリアを積んでより条件の良い企業に転職するのが通例です。雇用形態によってその人の社会的地位が決定されることはないですね。
  将来希望する仕事へとつながる今の仕事を、納得のいくまで頑張ります
 
   私が働いているのは投資部で、現在日本進出を考えている英系企業にそのリスクや方法などを指導し、提案する部門です。簡単にいえば「コンサルタント業務」ですね。事務所では問い合わせのあった産業やビジネスをリサーチし、企業に出向いたり、ここに訪れる企業に対してプレゼンテーションを行ったりします。実際の訪問はアドバイザーが同行しますが、それでも責任のある、重要な仕事です。将来的には国際的な視野に立って企業の仲立ちができる仕事に専念していきたいという希望がありますので、現在の仕事は大変勉強になります。プロジェクト毎にバリエーションもあるし、やりたいことができているので毎日が充実して楽しいです。

 もちろん、同ポジションで正社員募集があれば、ぜひ申し込みたいと思います。その方が保障なども充実するし、休暇制度も魅力的。でも、今はこの仕事が気に入っていますし、私自身の経験がまだ納得のいくレベルには達していません。正社員であろうと契約社員であろうと、これからのことを考えたら、キャリアアップのためにももう少しこのポジションで努力したいと思います。
   
  ロンドンでの生活やプライベートも充実。仕事にも満足の今の生活を堪能したい
 
 

 ロンドンは物価が高く、いくら働いてもなかなかひとり暮らしはできません。そのかわり、日本でいうマンションのような間取りの物件を2人で借り、キッチン・バスルームをシェアする「フラットシェア」をしています。今、ボーイフレンドがアイルランドにいるのですが、会えるのは3週間に1回くらい。どちらにしても海外に出ることになるので、週末を利用してヨーロッパ旅行に出かけることも。ロンドンで会う時はマーケットを巡ったり、観光を楽しんでいます。まだロンドンに来て1年経っていませんし、アイルランドの友人たちも遊びに来ますから、ちょっとしたツーリスト気分。今は仕事もプライベートも充実しているので、しばらくこの生活を堪能したいと思っています。

   
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