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世界の派遣から
 
 
第7回:チョア・フイ・ティンさん(シンガポール)

シンガポール出身の22歳。福建語を話す中華系の家庭で育つ。

 現在は、日系の大手旅行会社でトラベルコンサルタントとしての業務に携わる。得意の日本語を活かしたカウンターでの接客業務が中心。日本へ出かける予定のお客さまに宿泊先や国内の移動手段について、手配やアドバイスを行っている。
 日本語検定1級の取得を目指して日本語学校に通うほか、夜間の専門学校でマーケティングの学位を取るべく、常に自分のレベルアップのための勉学にも励む。全身からあふれるエネルギーと、親近感のもてる明るい性格が魅力。
 
  キャリアアップは自分次第。シンガポールは資格が強みの「学歴社会」
 
   東南アジアのハブであるシンガポールは、外資系・日系企業がアジア全体の統轄本部を置いているケースも多く、国際色がとても豊かです。仕事に対する考え方、働き方ともに西欧的な発想に基づいており、「派遣」という雇用形態も十分定着しているといえます。日本とは多少意味合いが違っているかもしれませんが「正社員になるためのキャリアを積む手段」として、また「ライフスタイルにあわせたフレキシブルな働き方」として、女性にはとくに受け入れられています。派遣に限らず、正社員のポジションに関しても、人材派遣・人材紹介会社などに登録してふさわしい職場を探してもらうというスタイルが一般的です。

 シンガポールは、もともと多民族で構成されているため、たいていのシンガポール人は、英語のほかに中国語やマレー語、タミール語などが話せます。ですから、仕事をするうえでの語学力はあくまで手段のひとつにすぎず、それにプラスして学歴や経験が求められるのは当然のことなのかもしれません。とくに、シンガポールという国は過剰なまでの学歴社会なので、大卒以上の資格がない場合、仕事と掛け持ちをしてでも夜間や休日を利用して学位や資格を取得するのがキャリアアップの大事な鍵となります。そのため、欧米やオーストラリアの大学の資格が取れるコースが数多く設けられ、シンガポールにいながらにして、シカゴ大学、ロンドン大学といった一流大学のMBAが取得できるシステムもあるんです。近隣諸国から、シンガポールへ勉強に来るといったケースも多く見られます。
   
 
  日本語をもっと磨いてキャリアアップ。「Step by Step」が夢に近づく秘訣です。
 
   私が社会人になったのは、16歳のとき。最初の仕事は、日系の飲食業で販売に携わっていました。シンガポールにあるショッピングモールのあちらこちらに出店しているお店だったこともあり、2年後には4店舗を任されるマネージャーに昇格して責任あるポジションを担ってきました。以前から日本の歌やテレビ番組が好きだったこともあって、ずっと興味のあった日本語の勉強を真剣にはじめたのもこの頃です。その後、日本語検定2級に合格し、2005年に行われた「愛・地球博」のシンガポールパビリオンで半年間働くという機会に恵まれました。そのため、惜しまれながらも退職し、名古屋へ行きました。

 「愛・地球博」ではたくさんのことを学ぶことができたうえ、日本語も流暢に話せるようになったので、この経験を活かすべく、帰国後は数社の人材派遣会社に登録しました。ところが、自信があったにもかかわらず、日本語を使う仕事はなかなか見つかりません。原因は、自分の日本語がビジネスシーンで通用するものとは程遠かったことと、学歴が満たないということでした。これは、本当にショックでしたね。でも、ここであきらめたりはしません。まずは一念発起して、日本語をブラッシュアップ。それが認められ、今のトラベルコンサルタントという仕事を紹介されたのが10カ月ほど前のことです。職場の同僚、そしてお客さまもほとんどが日本人なので、常に日本語を使いながら日本のことも多く学べる環境が気に入っています。初めての業界だったので、知らないことやわからないことも多くて最初は苦労しましたが、積極的に仕事を学ぶよう努めました。今では、日本の旅館とJRパスについての知識に関しては、日本人の上司にアドバイスを求められるまでになったんですよ。
   
  近い将来、日本で働きたい。そのために今できることを頑張っています
 
   現在は、マーケティングを学ぶ専門学校と日本語学校に通っています。顧客のニーズを素早くつかんで提案できる力をつけたいのと、日本語検定1級に合格し、今あるスキルと経験を活かして数年間日本で働くことが目標だからです。ともかく20代のうちは、業界や職種にこだわらず、自分の可能性を最大限に試してみたいと思っています。仕事経験がまだ浅いので、将来のステップアップも兼ねて相談にのってもらえる派遣のシステムは自分にとてもマッチしていると実感しています。これまでを振り返ってみると、それぞれの職場や仕事は、私にとっていつも学びの場であり、ひとつひとつを卒業してきて今の自分があるように思います。マーケティングの学位が取れれば、さらに自分の自信につながるはず。何ごともあきらめることなく、色々なことにチャレンジしていきたいですね。
   
  将来の自分、女性として理想の自分とは
 
   30代〜40代になる頃には、知識や経験も十分積んで、顧客と商品やサービスをつなぐマーケティングのプロになっていたいですね。日本とシンガポール、そしてアジアをつなぐ架け橋になれたら、と思っています。

 家庭をもったとしても、やはり仕事は続けていきたいと思います。子どもも欲しいので、家政婦さんなど周りの方の力も借りながら、家族というユニットを大事にして、皆が楽しく暮らせる家庭を築きたいです。もうちょっと欲をいえば…母親も同居してくれるのが理想ですね。最近の過ごし方ですが、休みの日には、仲のよい友人達とバスケットボールをしたり、親戚と麻雀をしたりして気分転換をしています。年に1、2度ある長期休暇には、もちろん大好きな日本へ旅行に出かけます。欲張りなのかもしれませんが、長い付き合いのシンガポール人の友人に囲まれて日本語環境で仕事をすることこそ、私にとって一番理想的な働き方かな、と思っています。
   
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