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IT Columns 【文字コードで世界に出る〜さらば!文字化け〜】
WordやExcelで出会う「\」と「\」の謎を探る
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 さて、前回、日本の文字コードはカタカナを使えるようにした「JIS X 0201(JIS C 6220)」から始まった旨、紹介しました。パソコンでも携帯電話でもごく当たり前に漢字交じりの文章を入力できる時代ですので、カタカナしか使えない文字コードなど、もはや出番はないように思われますが、トラブルシューティングの場ではこれがポイントとなることも少なくありません。
  前回、アメリカ製のフリーソフトをインストールしようとした時、インストール先フォルダをあらわすのに「\」記号ではなく、「\」記号が使われていたという事例を紹介しました。「日本語化されていないソフトなんて縁がないから……」という方も多いと思いますので、今回は皆さまにもお馴染みのWordやExcelで遭遇する事例を紹介しましょう。

Wordの「¥・\」問題

 前回、「欧文フォントでは5Cにあたる文字を『\』で表示し、日本語フォントでは『¥』で表示するのがWindowsでの原則となっている」旨、説明しました。しかし、これはあくまでも「原則」。例外も少なくありません。
 その最たるものがWordとExcelです。WordやExcelを例外としてて原則を云々するのはどうかとも思います(笑)が、そこら辺はシェアではなく、仕組み上の話ということでご容赦ください。

 まず、Wordの事例です(図1)。
 (1)と(2)の例文中では「¥」記号を、(3)の例文中では「\」記号を表現するつもりだったのですが、(1)〜(3)のいずれも「¥」記号になっています。

【図1】
Wordでは「¥」を優先

 カーソルは(3)の「¥」記号の直後にあり、上部の「書式設定」ツールバーの「フォント」欄を見ると、「Century」という欧文フォントが設定されていることがわかります。上記画面の(1)・(2)の例文も同様ですが、これらのフォント設定はユーザ自身が行ったものではありません。日本語版Wordではひらがな・カタカナ・漢字は日本語フォントの「MS明朝」で、(半角幅の)英数字は欧文フォントの「Century」で表示する設定が既定値となっているため、半角文字を入力すると、自動的に「Century」フォントが設定される仕組みとなっているのです。

 Windowsの原則からすると、5Cにあたる文字は欧文フォントでは「\」で表示されるハズなのに、なぜ、上図のWord文書中の記号はすべて「¥」になっているのでしょうか?
 それは、Wordには5Cに相当する文字を強制的に「\」から「¥」に変換する仕組みが備わっており、日本語版Wordではこの仕組みが働く設定が既定値となっているからです。

 試しに、メニューから「ツール」→「オプション」を実行して、「オプション」ダイアログの「互換性」タブを開いて、「オプション」欄の中の「バックスラッシュを円記号(¥)に変換する」のチェックをはずしてみましょう(図2)。

【図2】
\」→「¥」の変換を中止

すると、文書中の「¥」記号が一斉に「\」記号に変換されます(図3)。

【図3】
\」をそのまま表示

 つまり、日本語版Wordでは5Cにあたる文字について
   ・「MS明朝」などの日本語フォントでは「¥」で表示する
   ・「Century」などの欧文フォントでも自動的に「¥」に変換する設定が既定値となっている
   ・「バックスラッシュを円記号(¥)に変換する」機能をオフにすると、「Century」などの
    欧文フォントでは「\」で表示するようになる
といった、かなり込み入った仕様になっているのです。
 一般的な日本語の文章において「\」記号を使いたいという場面は滅多にありませんので、Wordの開発者は5Cにあたる文字を優先的に「¥」で表示するように設計したのではないかと思います。

 ちなみに、上記の状態で図の(1)と(2)の「\」部分を選択して、「MS明朝」などの日本語フォントを指定すると、「¥」記号の表示に変わります(図4)。

【図4】
1つのWord文書で「¥」記号と「\」記号を共存

 どうしても1つの文書中で「¥」記号と「\」記号を共存させたい場合に使える「手」ですので、頭の隅に覚えておいてください。

Excelの「¥・\」問題

 では、今度はExcelの事例を見てみましょう。
 Excelには、Wordのように、欧文フォントが設定された5Cにあたる文字を自動的に「¥」に置き換えて表示するような機能は備わっていません。その代わりに、フォントとデータの種類によって「¥」と「\」を自動的に使い分ける仕組みとなっています(図5)。

【図5】
Excelはデータ種類に応じて自動的に切り替え

 すなわち、「MS Pゴシック」や「MS明朝」のような日本語フォントを設定してある場合は、このセルに入力したデータが文字列であろうと(上段)、数値であろうと(下段)、いずれも「¥」記号で表示されます。
 一方、「Arial」や「Courier New」のような欧文フォントを設定してある場合は、このセルに入力したデータが文字列であれば「\」記号で(上段)、数値(通貨形式)であれば「¥」記号で(下段)表示されます。

 セルに設定したフォントによってはこのルール通りとならない場合もありますが、概ね、上記のようになることを覚えておけば、もし、「通貨記号の¥が\になってしまう」といったトラブルに出会った場合でも「そのセルの表示形式が『文字列』になっているのでは?」と推測して、問題の解決にあたることができるでしょう(図6)。

【図6】
セルの表示形式が「文字列」になっていると、円記号が「\」に
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