さて、前々回・前回と、Windowsが搭載する「システム外字」について、その概要と入力方法について説明してきました。 ①などの丸付き数字はビジネス文書やメールで箇条書きを行う際などに当たり前のように使っている人が少なくありませんし、「髙」「塚」「彅」「侊」などのIBM拡張文字もこれらの漢字を名前に含む人にとっては欠かせない存在となっているかも知れません。 しかし、これらの記号や漢字はWindowsには必ず備わっているとは言っても、外字は外字です。WordやExcelで用いてプリントアウトする分にはまず問題は起きないでしょうが、メールでやり取りしたりWebで公開したりする際には思わぬ文字化けを起こします。今回はそんなトラブル事例の紹介です。
MacintoshにもJIS漢字が収録していない記号類を収めたシステム外字が搭載されていますが、WindowsとMacintoshでは外字の中身やそれぞれの文字コードが異なっています。
長年、Macintoshを使ってきた人であれば、とうにご存じかと思いますが、最近のiPodブームなどに乗じて初めてMacintoshを購入したという人には意外と知られていないようですので、Windows側からNEC特殊文字とIBM拡張文字を含んだメールをMacintosh宛てに送った場合、どうなるかを示しておきましょう。
上図は、メールの前半に㈱やⅢなどのNEC特殊文字を、後半に「彅」や「髙」といったIBM拡張文字を記入したメールです。 このメールを送信して、Macintoshの標準的なメールソフトである「Mail」で受信すると、下図のようになります。
上の例はWindowsからMacintosh宛てに送った場合でしたが、逆にMacintoshからWindows宛てに送信した場合も同様に文字化けを起こします。
メールの本文中で①やⅢ、㈱、℡など記号が使われているのをしばしば見かけますが、特に不特定多数に送るDMの類では「NEC特殊文字などのシステム外字の使用は御法度!」である旨、肝に銘じておく必要があります。
文字化けを起こすのは、何もWindowsとMacintoshの間でやり取りした場合に限りません。Windows同士でも文字化けを起こす場合があります。
ここでは、その一例として、Windows用のフリーソフトとして人気のある「EdMax」(MZAKI氏作・高機能版のシェアウェアもあり)でNEC特殊文字とIBM拡張文字を含んだメールを作成・送信して(図3)、同じくWindows用のOutlook Expressで受信したケース(図4)をあげておきましょう。
①や㍻などのNEC特殊文字は問題なく表示されていますが、IBM拡張文字の「彅」字以降はメチャクチャの状態になっています。
上とは逆にOutlook ExpressからEdMax宛てに同じシステム外字入りのメールを送った場合は文字化けを起こさず、きれいに全文が表示されます。 外字の取り扱いは標準化されていませんので、データ交換を行うと、その結果がどのようになるのか保証されないことを示す好例と言ってよいかと思います。
最近は、最新の情報は携帯用のサイトで入手するのが当たり前となっていますし、プロバイダの提供する転送機能などを使って、パソコン用のメールアドレスで受信したメールを自分の携帯宛てに転送させている人も珍しくありません。
携帯電話に関しては、NTTドコモ・KDDI(AU)・Vodafoneの各社が別個に絵文字を規定しているため、異なる電話会社の携帯電話同士でメールのやり取りをすると、絵文字部分が文字化けを起こすのはご存じの通りです。 同様に、Windowsでシステム外字を含んだメールを作成して携帯電話宛てに送信した場合も、受信した携帯電話側で文字化け表示となる恐れがあります。
今回は、AUの携帯電話(三洋電機製A1305SA)を用いて、Windowsのシステム外字を含んだメールを受信させた結果を示しましょう。
このOutlook Expressで作成したメールをAU携帯で受信した結果は下図の通りです。 前半部の㈱や㎜などのNEC特殊文字は問題なく表示されていますが、「彅」「髙」「侊」の3文字のIBM拡張文字はいずれも空白か、AUの絵文字に置き換わってしまっていました。
今回は「NEC特殊文字は正常に表示されて、IBM拡張文字は文字化けする」という結果になりましたが、この実験結果だけで、「AU携帯宛てには①や㈱などのNEC特殊文字はOK」などと断定するのは早計です。 と言うのも、以前、NTTドコモのiMODEを調べたとき、機種(製造メーカーの異なる複数機種)によって、①NEC特殊文字・IBM拡張文字とも文字化け、②NEC特殊文字は表示されるが、IBM拡張文字は文字化け、③NEC特殊文字・IBM拡張文字とも正常表示という3つのパターンがあったからです。 携帯電話の場合、機種(あるいは製造メーカー)によって異なる結果になる可能性もありますので、システム外字の使用にはやはり慎重であるべきでしょう。