Written by 清水哲郎
新聞の経済面などを見ると、「三角合併の解禁によって、今後、外国資本によ る日本企業の合併が相次ぐのでは」と報ぜられています。「三角合併」とは企 業を合併する際に、消滅する会社の株主に対して、存続会社の株式ではなく、 親会社の株式を対価として交付する手法を指すのだそうです。
一方、眼を世界に転じると、驚天動地の吸収合併が次々と行われてきています。 つい最近、合併効果がなかったとして投資ファンドへの売却が報ぜられました が、独ダイムラーが米クライスラーを買収したのは1998年のことでした。また、 IT業界でも同じ1998年にコンパックがディジタル・イクイップメント・コーポ レーション(DEC)を買収した時にはたいへん驚かされましたが、そのコンパ ックも2002年にはヒューレット・パッカード(HP)に吸収合併されています。
さて、ここ1、2ケ月ほどの間にもきわめて大規模な吸収合併を伝えるニュー スがいくつか伝わってきました。その主役はグーグル、マイクロソフト、ヤフ ーといったお馴染みの面々です。
4月に米グーグルがオンライン広告企業のDoubleClickを31億ドルで買収するこ とに合意した旨を伝える。 昨2006年に米動画共有サイトの大手YouTubeを16億5000万ドルで買収したのに 続く大規模な買収で、しかも、DoubleClickの買収をめぐっては、米グーグル のほか、米マイクロソフト・米ヤフー・米AOLの攻防が続いていると報道され ていただけに、同社の勢いのよさばかりが目立つ。
米グーグルのYouTube買収については・ITmedia News「Google、YouTubeを16億5000万ドルで買収」 2006年10月10日付け記事 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0610/10/news006.html
aQuantiveの事業概要や買収の背景などを伝える。 米マイクロソフトはこれまでに数々のソフトメーカーを買収して、それを自社 ブランドとして育ててきたが、同社が今月(2007年5月)、60億ドルという巨 額を投じて買収することを決めたのが純粋なソフトメーカーではなく、オンラ イン広告会社だったことは時代の潮流が変わったことを感じさせる。
aQuantiveの買収決定を伝えるマイクロソフト社の公式発表はこちら。 ・「マイクロソフト、aQuantive, Inc.買収へ」 2007年5月22日付けプレスリ リース http://www.microsoft.com/japan/presspass/detail.aspx?newsid=3065
ダブルクリックをグーグルにさらわれた米マイクロソフトが今度はヤフーに対 して両社のネット事業の合併を呼びかけている旨を伝える。 もし、合併が成立していたら、業界地図を大きく塗り替える可能性があったが、 こちらの交渉は早々と失敗に終わったようだ。 ・ITmedia News「MSとYahoo!の合併交渉は中断か」 2007年5月5日付け記事 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0705/05/news010.html