ITトピックス
Vol.55 オフィス文書のファイル形式、果たして軍配は?
Written by 清水哲郎
今年1月に発売された「2007 Office System(Office2007)」では、数々の新機能が搭載されている以外に、デフォルトのファイル形式が「Open XML」と称する新しい形式に変更された点も大きな特長となっています。
マイクロソフト社が新しいファイル形式を採用した背景には、アメリカ・ヨーロッパ・日本の官公庁が「庁内で作成する文書形式がWordやExcelといった1メーカーの特定アプリケーションに依存する」のを避けて、公的規格に基づくオープンな文書形式に移行しようとする動きがあります。
同社の「Open XML」と競合すると見られるのは、OpenOffice.orgやStarSuiteなどが採用している「Open Document Format(ODF)」です。
両陣営は標準規格としての地位を確保すべく、ISO(国際標準化機構)の場で激しい争いを繰り広げています。
今回は、オフィス文書のファイル形式の標準化を巡る話題をお届けしましょう。
「Open XML」と「ODF」が対決!
「ODFとOOXMLが今夏ISOでガチンコ勝負」
>>@IT 2007年1月15日付け記事
「Open XML」と「ODF」が標準化で争う背景や経緯、今後の見通しなどについて、情報処理学会の情報規格調査会メンバーの村田真氏がインタビューに答える。
「標準化」という明快なようでいて、その実、混沌とした世界を垣間見ることができる。
「Office Open XMLとODF、オフィスフォーマット標準化の動き」
>>Enterprise Watch 2005年12月5日付け記事
すこし古い記事だが、Office2007が登場する1年以上も前から、文書ファイル標準化の動きが大きな関心事となっていたことがわかる。
Ecmaが「Open XML」を標準規格として承認
「Ecma、「Microsoft Office Open XML Formats」を標準規格として承認」
>>CCNET Japan 2006年9月25日付け記事
ヨーロッパのコンピュータメーカーを中心に結成されたEcma(European Computer Manufacturer Association)の総会で、「Open XML」の一連の仕様が標準として認定された旨を伝える。
日本の官公庁もオープンな標準文書を採用
「「WordやExcelが購入できなくなることはない」、総務省がNHK報道を否定」
>>IT pro 2007年7月2日付け記事
7月1日にNHKが「国が今後,マイクロソフトのWordやExcelを購入できなくなる」というニュースを大きく取り上げたのに対して、総務省が「その報道は誤りである」と発表した旨を伝える。
7月1日から適用された『情報システムに係わる政府調達の基本指針』では「国際規格・日本工業規格等のオープンな標準に基づく要求要件の記載を優先する」としているが、この「オープンな標準」にはISOやJIS以外の公的規格や業界団体による規格も含まれており、これは「Open XML」がEcmaによって標準として認証されていること(上掲)を指していると指摘する。
アメリカでは両規格採用の動き
「カリフォルニア州、「OpenDocument Format」採用の動き」
>>CNET Japan 2007年3月1日記事
テキサス州・ミネソタ州・マサチューセッツ州に続いて、カリフォルニア州でも州の機関で使用する文書の標準として「ODF」を採用する可能性が出てきた旨を伝える。
「米マサチューセッツ州、MSのOffice Open XMLフォーマットを採用」
>>CNET Japan 2007年8月3日記事
かたや、「Open XML」陣営の巻き返しも激しい。
従来、「ODF」に与(くみ)してきたマサチューセッツ州がECMAによる標準化などを理由に、「Open XML」の採用を決定した旨を伝える。
ISOの場では「Open XML」が緒戦敗退
「Open XML、ISO/IEC国際標準化投票で承認にとどかず」
>>マイコミジャーナル 2007年9月5日記事
ISO/IEC国際標準化の投票において、「Open XML」をISO標準とする“早期承認の手続き”が承認されなかった旨を伝える。
これでISO標準となる道が閉ざされたワケではないが、マイクロソフト社にとっては今後も厳しい日が続きそうだ。
OfficeXP/2003で「Open XML」形式を読み書きする
「Word、Excel、および PowerPoint 2007 用ファイル形式互換機能パック」
>>マイクロソフトホームページ
Office2007ではデフォルトのファイル形式が「Open XML」となったため、既存のOfficeXPやOffice2003との間で容易にデータ交換できない事態が懸念される。
そこで、マイクロソフト社ではOfficeXP/2003で「Open XML」形式のファイルの読み書きが可能となる更新ソフトウェアを公開している(無償)。