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IT Skill Up Lab 【プロフェッショナルへの道】
 
プロフェッショナルへの道
コンピテンシーにまつわる3人の会話   濱田 秀彦氏

■ 「コンピテンシー」ってなんだろう?

前回に引き続き、プロについて皆さまと考えてみたいと思います。今回の話題は、「コンピテンシー」です。例によって、家電メーカーQ社の、不思議と気の合う3人組の会話からご覧下さい。

 登場人物
総太郎 (39歳、正社員、課長)
一 美 (28歳、正社員、事務職)
遣 介 (27歳、派遣社員)

ある日の仕事帰り、3人は居酒屋でコンピテンシーについて話していた。

遣 介 「最近、プロっていう言葉と一緒にコンピテンシーって言葉もよく聞くんですけど、どういう意味っスかねぇー?」
一 美 「そこに座っている方ならご存知じゃないかしら」
総太郎 「私のことでしょうか。今日は飲んでおりますので控えたいと・・・」
一 美 「なにを控えるんですか。ははぁ、さてはご存知ないわけですね」
遣 介 「すいません、オレが変なこと言ったせいで」
一 美 「変じゃないわよ。私が聞きかじっているところでは、コンピテンシーは高い業績を上げている人に共通したことよ」
総太郎 「高い業績を上げる人をハイパフォーマーと言うんだ」
遣 介 「さすが、よく知ってますね」
一 美 「ハイハイ、じゃ説明はお任せして、私はおかわりを頼むわ」

■「コンピテンシー」とは高業績者の能力や姿勢、資質のこと

総太郎 「コンピテンシーの意味は一美さんの言ったとおりだよ。少し細かく言うと、『ハイパフォーマーが共通して持っている能力や姿勢、素質』といったところかな」
一 美 「意味はわかるけど、抽象的よね」
総太郎 「いや、コンピテンシーは、ちゃんと調べることもできるんだよ」
遣 介 「どうやって?」
総太郎 「うん、ハイパフォーマーの行動の傾向から、抽出するんだ」
一 美 「たとえば?」
総太郎 「高い業績を上げている営業マンの行動を調べて、『顧客の悩みに対し、様々な解決策を提示している』という共通点があったら、企画力とか課題解決能力がコンピテンシーになるってことだね」
一 美 「そうすると、会社や仕事によって、まちまちになるわね」
総太郎 「基本的にはそうなんだ。ただ、やっぱり共通する部分は多いみたいだね」
遣 介 「共通することってどんなことですか」
総太郎 「一口には言いにくいんだ。大きく分けると能力と姿勢かな。さらに能力は、コンセプチャルスキル、テクニカルスキル、ヒューマンスキルに分けられるんだ」
遣 介 「なんすか、それ?」

  ■「コンピテンシー」の3つの要素
 
 
総太郎 「テクニカルスキルはわかるよな」
遣 介 「仕事に必要な技術ってことですか」
総太郎 「そう。君だったらシステム系だから、やっぱり様々な言語でプログラムが書けるとか」
遣 介 「うへぇ、なんか酔いがさめそう」
一 美 「じゃ、ヒューマンスキルは対人系の能力ってことでいいのかしら」
総太郎 「そうだね。傾聴力とか、共感性とか」
遣 介 「もうひとつのコン・・なんでしたっけ」
総太郎 「コンセプチャルスキルは、簡単に言えば考える能力だな」
一 美 「じゃ、私はダメね」
遣 介 「そんなことないっスよ。一美さん鋭いし」
一 美 「キツいって言いたいんでしょ」
総太郎 「まあ、そう絡まずに。話を戻すと、コンセプチャルスキルは論理性とか、企画力とかだよね。最近よく言われているロジカルシンキングとか、図解の力なんかもコンセプチャルスキルだな」
遣 介 「システム系の技術者にはあまり関係ないような気もしますけど」
総太郎 「そんなことはないよ。相手の話から業務の構造を理解したりするには、コンセプチャルスキルが必要だろ」
遣 介 「おっしゃる通りでございます」
一 美 「ちゃんと勉強するようにね」
遣 介 「なんで、今日はオレばっかり・・・」

 

 
  ■プロの「コンピテンシー」とは?  
 
遣 介 「ところで、プロとコンピテンシーってどう関係するんですかね」
総太郎 「プロは、様々なコンセプチュアルスキル、テクニカルスキル、ヒューマンスキルを高いレベルで持っていて、仕事に対する姿勢も、人並みはずれているんだろうね」
遣 介 「プロへの道は遠いっすねぇ」
一 美 「そんな弱気じゃだめよ!情けないわね」
総太郎 「そろそろお開きに・・・」
   

 
  ■コンピテンシーの具体例  
 
コンピテンシーとして、比較的よく取り上げられるのは、次のようなことがらです。

<コンセプチュアルスキル>

戦略立案能力、計画立案能力、業務統制力、多面考察力、分析力、課題形成力、問題解決能力、企画力、判断力、組織活用、ロジカルシンキング


<テクニカルスキル>

プレゼンテーションスキル、ドキュメンテーションスキルほか、各種の業務に関する技術


<ヒューマンスキル>

説得力、柔軟性、リーダーシップ、対人配慮


<個人的特性、姿勢>

アグレッシブ、バイタリティ、ストレス耐性、目標達成意欲、持続力、果敢さ、自己統制、向上心

一般的にはこんな感じですが、これにとらわれず、身近なハイパフォーマーの行動を観察し、フィットする言葉を見つければ、それもコンピテンシーになります。そうして作ったオリジナルのコンピテンシーを、自分自身の能力開発や行動指針につなげればプロへの道もひらけていくことでしょう。

 

 
  ■「コンピテンシー」と「コンピタンス」  
 
ところで、コンピテンシーとよく似た言葉に「コンピタンス」があります。語源は同じですが、一般には使い分けられています。コンピテンシーが個人を対象に使われることが多いのに対し、コンピタンスは組織・企業単位で使われることが多いようです。また、他社には簡単に真似のできない競争力の核という意味で「コアコンピタンス」という言葉も使われています。

今回も締めは質問です。この「コアコンピタンス」を個人にあてはめて考えてみましょう。


他の人には簡単に真似できない、あなたのコアコンピタンスはなんですか?


 
  筆者のご紹介  
 
濱田 秀彦(はまだ ひでひこ)
濱田 秀彦氏(はまだ ひでひこ)   1982年 早稲田大学教育学部卒業
住宅メーカー入社、最年少支店長を歴任後、大手コンサルティング会社に転職。システムソリューション課長を経て
1999年 合資会社ヒューマンテック設立
2002年 プロバンク一般法人コンサルタントグループ アドバイザリースタッフ

現在、ヒューマンテック代表として、webサイト開発、業務システム開発、キャリアコンサルティング、セミナー講師等に従事している。
近著「みんなのパワーポイント企画・構成・話し方」(エクスナレッジ)

専門分野
・webサイト開発・運用 ・人事関連業務システム開発
・キャリアコンサルティング ・セールスアセスメント(営業の評価)
・プレゼンテーション研修

 
参考サイト・参考文献
PRESIDENT Online 仕事に役立つビジネススキルや経営トップの話などのコンテンツが充実しています。
トム・ピーターズの経営破壊 「これからの時代を制するのは、クレージーなネットワーク型組織」。プロやキャリアを考える刺激になる本です。
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