今回は面接のキモシリーズの最終回、「面接のキモ(4)〜自己開示」です。
シリーズの最後は、面接を受ける際の“意識”にフォーカスしていきます。
面接も通常の人間関係と同様に、双方がお互いの主張や気持ちを通わせながら進める点から、“コミュニケーション”としての意識が必要です。そして、良好なコミュニケーションのためには、お互いの信頼関係が不可欠です。この信頼関係を「ラポール(=フランス語で“橋を架ける”という意味)」といい、“一緒にいる感じ”とか“波長があっている感じ”を示します。当然ながら面接でも「ラポール」な感じだと、自然でいい面接ができるといえます。
そして、この「ラポール」な感じを面接で作りだすには、うまく自己開示ができるかどうかにかかっています。「自己開示」とは、自分の感じ方・考え方・身に起きた出来事を相手に伝えて、自分の気持ちや人となりを文字通り相手に開き示すことです。
ちょっと想像してみてください。
合コンで知り合ったちょっとタイプの彼女(彼)が自分のことは全く話さないのに、あなたのことは根掘り葉掘り聞いてきたらどう感じますか?「どんな音楽をいつも聴いているの?」とあなたが質問しても、それには答えず「君は何を聴いているの?」と、質問に質問で返されてしまったら?
または、「休みの日は何をしているの?」と聞いてみても「別に…」「……」という具合に、聞いたことに対してロクに答えてくれなかったらどうでしょう。
テンポのいい会話どころか、なんとなく誤魔化されてしまったような気がして、気持ちよく話を進めていくことができないですよね。こういう相手に対してはエネルギーを使って、親しくなろうとは思わないはずです。この点からも、バランスよく自己開示していくことが相手の心を開かせ、いいコミュニケーションを図る上で大切かが見えてきます。
そこで、程よく自己開示しながら自分を相手に伝えていく3つのポイントを以下にまとめてみました。
≪1≫自慢はだめ
誰しも人に認めてもらいたいと思っているけど、自慢話を気分よく聞ける人などいません。また、話の主語に、「私が」「俺が」を使いすぎると、それだけで「自意識過剰で鼻持ちならない人!」と思われてしまいます。自分のことを相手にわかってもらおうとする余り、自分のことばかり話していないか、自己主張ばかりしていないか、意識して客観的に振り返ってみてはいかがでしょう。
一方で、あいまいな表現を使う人が増えているのも最近の傾向です。例えば、「ワタシ的には、洋食よりも和食の方が好きだったりするかも」という表現、皆さんも使っていませんか?これは、“○○的”“○○かも”と言い切らない表現を使うことで、本人とはちょっと違う誰かが言っているようなニュアンスを感じるし、断定しないことで自分の逃げ道を残しているような狡さすら感じます。ホドホドが肝心です。
≪2≫自己卑下しすぎてもだめ
また、自分を必要以上に卑下しても、上手な自己開示とはいえません。
例えば、「私は歳だから派手な服は着られない」とか「私は太っているから痩せなきゃ」と言われたら、返す言葉としては「まだまだいけますよ」とか「太ってなんかいませんよ」と否定することで慰めなければなりません。これが度重なれば、相手は“やれやれ”という思いでくたびれるし、その言葉を裏読みして、結果として好意を抱いてはくれません。
このような自己卑下は、否定してほしいと相手に要求しているようなもので謙虚さとは別物です。
面接でも、謙虚さをみせようとするあまり謙遜の度が過ぎて、それが鼻についたり、場の空気を壊してしまっては元も子もありません。その会社、その職種で、望まれる人物像や場の雰囲気、様々な状況を考え合わせて自然な自己表現を心がけましょう。
≪3≫自分の辛い、暗い話ほど明るくする
面接では、過去の困難を乗り越えたエピソードや苦しかった事柄を自己PRや志望動機に効果的に取り入れることで、自分という人間性を伝え、それによって備わったストレス耐性や底力、人間的な魅力をアピールすることができます。辛くて暗いエピソードもその構成や話し方によっては自己アピールにつながるのです。
例えば…
子供のころアトピーに苦しんでいたが、両親や自分の努力で克服した
奨学金を受けながら、親の支援を受けずにアルバイトだけで貧乏生活を続けた
外国旅行中に強盗に襲われ、身ぐるみ剥がされた
内定をもらった後、交通事故に遭って重体となり、大学を留年してしまった
辛い体験をそのまま苦渋に満ちた表情で話しては、相手は返す言葉を捜しながら気も重く、暗くなってしまいますよね。面接でも「こんな経験をしたけど、だからこそ強くなれた」といったように必ずそこから得たことや学んだこと、プラスの要素を加えて話すといいでしょう。
つまり、ネガティブなことをポジティブな表現で、現在のポジティブな姿勢をアピールする!
以上の3つのポイントに共通しているのは、相手に気持ちの面で負担をかけないということ、つまり、相手の立場を考えて話をすることです。会うと暗い気持ちになる人とは、また会いたいと思わないですよね。面接でも、面接官にあなたにまた会いたいと思わせましょう。
面接では、面接する側と受ける側で立場こそ違いますが、それぞれが選択する権利を持つ対等な関係です。そういった関係性を踏まえて自然で程よい自己開示をして、相手との距離をぐっと縮めることができれば、その面接の70%は成功です。
そして、初対面の状況で最も自分らしい表現ができ、面接官にその会社であなたが働いている姿をイメージさせることができれば、その面接の80%は成功でしょう。
筆記試験は通るのに面接ではなぜかうまくいかないという方、自分を客観的に振り返ってみてください。今回で“面接のキモ”シリーズはおしまいです。次回も、コミュニケーションを軸にしたテーマでお送りします。
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