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ビジネス英語実践講座
今回は、オフィスで来客を迎える際の適切な応対方法について学びましょう。前半では、来客が到着したときの受付での応対を取り上げます。第7回でも触れたように、個人名と会社名には特に注意を払う必要があります。とはいえ、電話応対とは異なり、今回は、「音」を聞いて名前のスペルを正確に書き取るよりも、同じように発音できることが重要です。リスニングは、英語学習者にとって、習得が難しい技能かもしれませんが、会話では避けて通ることができません。みなさんが日本語の固有名詞を聞いて、正しい漢字の見当がつくのと同じように、経験から学んでいくことで推測する力を身につけることができますので、必要以上に身構える必要はありません。
来客に「お待ちください」という意味で使う「Please wait here.」。「Please〜」は「〜してください」という意味であるため、「please」さえつければ丁寧な表現になる、と思っている人が多いかもしれません。しかし、「Please + 動詞〜」という文型は、実は丁寧な命令文なので、ネイティブ(特にイギリス圏)の中には、「Wait here.(待つように)」とほぼ同じ意味でとらえる人もおり、相手を不愉快な気分にさせてしまう場合があります。(注)「please」を用いる場合は、「Please wait here while I call up Ms. Morris to tell her that you've arrived. (お客様が到着されたことをモリスに伝える間、お待ちください)」というように、「Please 〜 while <お待たせする理由>」という形で使うと、冷たい印象を与えることにはなりません。
より丁寧な表現として、「Could you wait here for a moment?」や「Would you〜?」などの依頼文の型を使うこともできますが、日本語でも同じように、依頼文ばかり並べると不自然な会話になりますので、適宜使い分けるとよいでしょう。
丁寧な「お待ちください」の言い方
上記のように、どうして待たなければならないのか、その理由をできるだけ的確に答える人が、いわゆる「気が利く」人材ですが、会社や上司のポリシーに沿っているか確認してから使いましょう。
I wonder if you could 〜
「please」は、特に英会話上級者こそ注意したい点です。なぜなら初心者の場合は見逃してもらえることでも、上級者の場合は普段のコミュニケーションに問題がないだけに、上級レベルのマナーや表現を理解していると期待されるため、その上でわざと失礼な態度をとっているのではないかと思われ、不本意な印象を与えかねないからです。もちろん、立場の上下をあまり気にせず、フランクな話し方を好む人もいますが、相手がそういう人だとわかってきたら、合わせていけばよいのです。しかし、少なくとも最初は、わざわざ失礼な応対だと思われるリスクを冒す冒す必要はありません。丁寧に扱われて気分を害する人はめったにいないのですから。
(注)ただし、「Please〜」という型の文でも、下記のような、手紙などでビジネス定型文として確立していて、相手に行動を強制しないものは使っても問題ありません。 また、友達・家族間など立場の上下が関係ない場合も使っても問題ありません。
・Please be informed that 〜:〜をお知らせいたします。 ・Please find the attached 〜:〜を添付してお送りします。
歓迎の意をこめて言う「お待ちしていました」を、そのまま訳して「I have been waiting for you.」としてしまうと、歓迎ではなく「(あなたが遅いので、かなりの時間)待っていたんですがね…」という嫌味や非難を込めた意味となってしまいます。「(歓迎すべきお客様であるあなたを)お待ちしていました」と伝えるには、「We've / Mr.○○(上司の名字)has been expecting you.」を使いましょう。
来客に応対するときには、身だしなみも重要ですが、礼儀正しく、笑顔ではきはきした態度ほど、高価な服に勝るものはありません。また、訪問客は目の前にいるのですから、ボディランゲージや表情を駆使すれば、自分の気持ちを効果的に伝えることができます。英語に自信がないと思っている人ほど、笑顔で来客を迎え、はきはきした態度で応対しましょう。
来客に対して、おじぎは必須ではありませんが、日本を訪れる多くの外国人が、おじぎという日本の伝統を大切にすべきだと考えているのも事実です。初めは日本流に応対してみましょう! しばらくすれば、日本と外国、両方の良い面を取り入れて、来客の応対ができるようになるはずです。
常に、メモ帳をすぐに使えるところに用意しておき、相手の名字と会社名を、まずは聞こえたとおりに書き取りましょう。もし、聞いたことのないような名前だったり、アクセントが強くて聞き取れなかったりした場合は、スペルを尋ねて発音を確かめます。もちろん、アポイントメントのある客なら、これらの情報はあらかじめ手もとにあるはずですが、予定外に同僚を伴って訪れることや、代理の人が訪れることも考えられます。また、上司に名前を伝える際にも役立ちます。