「はい、やります」「今夜一杯、やりませんか?」「最近はやっていません」「何かスポーツをやりますか?」など、「やる」という言葉はふだん大活躍です。
でもその調子で、「やる」という言葉を、ビジネスで使うのは注意が必要です。

「やる」は「する」のくだけた言い方です。自分の身近な話題を話すときなどに使うことばで、かしこまった場では使えません。友人同士ならともかく、ビジネス上では使わないことです。
「やる」は他の言葉に置き換えるようにしましょう。「やる」はさまざまな意味に使われますので、「担当する」「務める」「とりかかる」など、適切な表現で言えるようにしましょう。そのためには、日頃の地道なトレーニングが必要です。
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答え |
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「ぜひ、私に担当させてください!」 |
フレーズ例
受付でお客さんに「〜はやってますか?」と聞かれて
「はい、やっております」
→○ 「はい、開催しております」
上司を飲み会に誘うとき
「今度、一杯やりませんか?」
→○ 「一杯お付き合いいただけませんか?」
面接で
「ずっと○○のボランティアをやってました」
→○ 「ずっと○○のボランティアに携わっておりました」
司会を務めているとき
「本日の司会をやります村上と申します」
→○ 「本日、司会を務めます(させていただきます)村上と申します」
仕事を押しつけられたとき
「はい、やっておきます」
→○ 「はい、かしこまりました。ただちにとりかかります」
NGフレーズ例
上司にゴルフをするか質問するとき
「社長は、ゴルフをおやりになるんですか?」「ゴルフをおやりになられますか?」
→○ 「ゴルフをなさいますか?」
※「やる」に「お〜になる」と尊敬語になるフレーズを付けたり、「られる」という助詞を付けたりしても、敬語にはなりません。
仕事を担当したとき
×「喜んで、やらさせていただきます」
※「やる」に、「〜させていただきます」という謙譲表現を付けても、敬語にはなりません。
もう1歩
「やる」には「する」以外に、「与える」という意味があり、その場合には「あげる」という敬語(謙譲語)があります。しかし、「あげる」は現在のところビジネス上で使うのは難しいようです。
「趣味で作った信楽焼のたぬきの置物なんですが、部長にあげます」
「そんなもの、敬語を使ったっていらないよ」と言われるかもしれませんが、「あげる」は文法上では立派な敬語。ですので、本来「あげる」で十分敬意を払っており、文法上は合っているのですが、何だか違和感を感じます。これは信楽焼のたぬきが問題なのではなく、「あげる」自体が問題なのです。
最近、「あげる」が単なる「やる」の言い換えの言葉となってしまっています。「犬にえさをあげる」「花に水をあげる」のように、本来であれば敬語を使わない犬や花に対しても「あげる」を使う人が増えているのです。「あげる」の敬語での地位は没落し、相手を敬う気持ちを表すのに物足りなくなってしまいました。
そこで、へりくだって話さなければならない相手には、もっと敬意が高い「差し上げる」を活躍させましょう。
△「出席者全員に記念品をあげます」
○「出席者全員に記念品を差し上げます」
さらにもう1歩
「やる」「あげる」「差し上げる」はもともと「教えてやる」「恵んであげる」のように、「目上の人が、目下の人に恩恵をほどこす」という意味が込められています。そのため、「こちらの好意で、〜してあげる」という、恩着せがましい印象に受け取られてしまうことがあります。本人にそのつもりはなくても、「しかたがないからやってやる」のように聞こえてしまうのです。
場面によっては、こういった表現を用いないように工夫しましょう。
△「私が代わりに行ってあげます」
○「私が代わりにまいります」
△「お年寄りには、席を譲ってあげましょう」
○「お年寄りには、席を譲りましょう」
敬語は、単に文法上直せばよいわけではありません。「あげる」「〜してあげる」が丁寧な言葉ではあっても、上の立場から言っているような印象が伝わってしまっては、せっかくの敬語も台無しです。
その場にふさわしい言葉遣いでなければ、きちんとした敬語とは言えません。
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