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第6回 〜 頭と体のコミュニケーション 体と会話をしてみませんか?〜

うつ病には運動不足とも関係があるのをご存知でしょうか?
今回お話を伺った澤木先生は、運動不足や肩こり腰痛に悩む方々に、症状を緩和する方法を指導するとともに、体と会話をすることの大切さを伝える活動を行なっています。
運動不足になると、また、運動をすると体や脳や心にどのような変化が表れるのでしょうか?

  
澤木先生&川西先生
(左)澤木先生  (右)川西先生
  
 川西  よく「寝れば疲れがとれる」と言われますが、実はこれは間違いなんですよね?
どうしたら疲れを解消することができるのでしょうか?
     
  澤木   そもそも"疲れ"というのは乳酸が体内に溜まると感じるもので、この乳酸を体内から出さないかぎり、どんなに睡眠を摂っても疲れはとれません。
疲労を解消する1番の方法は有酸素運動をすることです。例えば、ウォーキングやジョギングをしたり自転車をこいだり、ジムにいっている方はエアロビクスなど、あまり激しくない持続的な運動を行なうことで、溜まっていた乳酸物質をきれいに洗い流すことができるんですよ。そうすると、単に疲労回復するだけでなく体そのものも元気になります。でも、普段あまり運動をしない人に「運動をしろ!」と言ってもできないし続きません。まずは簡単なストレッチや座りながらできる運動から始めることをお勧めします。
     
      
 川西   運動の効果としてどのようなことが挙げられるのでしょうか?また、運動不足になると体にどういう影響を与えるのでしょうか?
      
  澤木  

人間の心臓はポンプ役を担っています。実は、足も「第二の心臓」と言われているように非常に大きな役目を果たしているのです。足の方に下った血液を心臓に戻すためには筋肉が必要でこれを筋ポンプ作用といいます。しかし、人間は足から衰えるといわれているように、足をきちんと鍛えていないと健康を害するレベルまで陥ってしまうことがあるんです。筋肉をつくることは、単に体力維持やボディビルダーだけではなく、治療予防や心臓の循環を良くするという役割も果たしているのです。

      
 
運動の効果として挙げられるもの
■心臓血管系 運動をすることで心臓に力がついて心拍数が下がる。
■骨格系 運動しないと骨がもろくなる。血中にカルシウムが流れ出てしまう。女性の場合だと骨粗しょう症になりやすくなる。スクワット等をすると強化できる。
■筋肉系 足の筋ポンプ作用の強化。基礎代謝をあげることで、同じ食事を摂取しても太りにくくなる。
■内分泌系 運動しなければホルモン分泌の影響でストレスにやられやすくなる。
それを予防するために持久的な運動をすると良い。ストレッチでも血行が
良くなるので気分もリフレッシュ。
 それでは実際にどういう運動が効果的なのか見ていきましょう!
 
肩こり編
肩こりに悩む方は筋肉が非常に縮んだ状態になっているので、縮んでいる筋肉をきちんと伸ばしてあげることが大切です。特に僧帽筋(そうぼうきん)をほぐしてあげると良いでしょう。1日1〜2回繰り返すだけでも効果はあると思います。
澤木先生 肩の筋肉が
縮んでいる状態
澤木先生 筋肉をほぐして
あげましょう!
僧帽筋とは、上背部の広範囲に位置する筋肉で、上部、中部、下部に分けられます。
背筋を伸ばした正しい姿勢を保つのに必要な筋肉ですが、パソコンなどのデスクワークにより、僧帽筋上部に疲労がたまりやすく、固く『肩こり』となって症状が現れやすい部位です。
これを改善するためには、肩回し(肩甲骨回し)や、ストレッチをすることで、僧帽筋の血行を良くしておくことが必要です。オフィスでは1時間に一回程度、肩を回したりすることで肩こり予防ができます。
      
 
姿勢が悪い方
澤木先生

まず、背骨には脊椎というものがあります。脊椎は、首から胸のあたり(頚椎:けいつい)が前に出っ張り(前彎:ぜんわん)、胸のあたりの胸椎(きょうつい) が後ろに出っ張り(後彎:こうわん)、腰のあたり(腰椎:ようつい)が再び前に出っ張って(前彎)いて、自然なS字型を描いてバランスをとっています。

但し、姿勢が悪いと後彎(こうわん)強くなって肩が前方に出てしまい、肩こりや腰痛を引き起こします。これを解消するためには、壁や柱に手をかけて胸を少し伸ばしてあげると肩が伸びます。これにより、姿勢の改善と肩こりの解消ができるかと思います。

     
      
 川西   運動は体を鍛えるだけでなく、やる気や集中力も高まってうつ病にも効果的と言われているんですよね?うつ病は、薬を服用するだけの治療だと再発率は40%といわれており、治ったと思っていてもまた再発してしまいます。しかし、薬の服用に加えて1日30分の有酸素運動を続けた場合の再発率はなんと8%といわれているのです。
うつになりやすい人は脳からセラトニンという物質が出にくくなるのですが、運動することでセラトニンが出やすくなります。「心」と「体」というより、「脳」と「体」かもしれませんね。
      
  澤木  

そうなんですよね。実は私が病院でリハビリ指導をしていた時のことです。70歳代の女性が骨折で入院していたのですが、だいぶ回復してきたので、併設されているフィットネスクラブで「ゆっくり歩く」というプールリハビリを始めました。リハビリを重ねていくうちに、少しずつネガティブな気持ちが明るくなり、隣の水泳教室に興味を持ち始めました。そして「今度はそっちをやってみたい」ということで、リハビリが終わってからスポーツジムに入会して水泳を始めたんです。この方は、70歳になって初めて泳ぎを覚えて25メートルのクロールを習得したのですが、以前よりも性格がものすごくポジティブになり明るくなりましたね。このような方は他にも何人もいらっしゃいます。

     
      
 川西   うつになると姿勢が下向きになって体が重たくなります。ですから、私は心のケアをするよりも、まずは姿勢を正すことをお勧めします。そうすると不思議と鬱っぽくなくなるんです。運動すると姿勢が良くなって心も軽くなります。あまり心ばかりフォーカスするのではなく体にもフォーカスすることで心も軽くなるのです。
      
  澤木   僕が好きな言葉の1つに「体と会話する」というのがあります。今訪問している企業の健康づくりでは、5分間という時間の中で、健康や体に対する"気付き"というものを発見していただき、運動の必要性を感じていただいて運動を始めるきっかけを作ってもらえればと思っています。
      
 
【まとめ】 〜体を会話することが大事!〜
女性は、体を「ファッション」として意識してしまいがちで、なかなか「機能的な」体について会話ができていないように思えます。ですから、まずは体を使ってみるということをお勧めします。例えばつま先をあげてもらうにしても、これだけ意識していただけると、「あっここの筋肉が使われている!」という辛さに気付いていただくことができると思います。
つま先 つま先を上げているところ
つま先 つま先を伸ばしているところ
次は太腿の前の筋肉です。この筋肉は体重を支えるために大切な筋肉です。立ったり座ったりするのも全てここの筋肉と神経に支配されています。
太腿の前の筋肉 指で抑えている部分が太腿の前の筋肉
こうして、オフィスの中で体を意識する時間を数分でも良いので作ってもらいたいですね。少しずつ運動のレベルを上げていただければ、マイナス要素を感じずに、週末にウォーキングをしてみようとか、会社帰りにジムに通ってみようとか、マイナス要素を感じずに体を会話し続けることができ、やがて有酸素運動へと繋げることができると思います。
    

 

澤木一貴コーチ

<プロフィール>

澤木 一貴(さわき・かずたか)
ストレングス&コンディショニングコーチ


経 歴
1971年生まれ。
日本大学商学部卒業後、フィットネスクラブや病院でも豊富な指導経験を活かし、アスリートから高齢者まで幅広くサポートしている。現在は専門学校で教鞭をとる傍ら、主に職業人のフィットネス指導をしている。
資 格 NSCA−C.S.C.S、健康運動指導士、健康運動実践指導者、トレーニング指導士
主な
活動内容
・トレーニングルームでの運動指導
・ダイエットプログラムの指導
・高齢者を対象とした転倒予防教室
・プール、スタジオでのプログラム担当(水中歩行、初級水泳、腹筋クラス等)
・競輪やレーシングなどプロ選手のパーソナルトレーナー、他多数
その他 「TARZAN」「クロワッサン」、テレビ番組の監修を担当。丁寧なパーソナル指導が好評。
      
  
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