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「ストレスって何?」のコーナーで、 「ストレスの原因となるもの」×「受け止め方」=ストレス という公式を説明しました。
直面した事がらをどうとらえるか、 どう解釈するかがストレスの大小に関わってきます。
多くの人は、「怖い」、「不安」、「イヤ」といった ネガティブな感情が沸いてくると思います。どうしてだと思いますか?
それは、その状況をその人なりに 「解釈」しているからだという説明が考えられます。
私たちは通常、右図の上の矢印のように、 ある「状況」がある「感情」をもたらすと考えがちです。 しかし、状況そのものが感情を呼び起こすわけではありません。「状況」を一人ひとりが「解釈」することによって、「感情」が生まれるのです。 この例で言えば、「幽霊が出る」、「祟りがある」、「悪霊に取りつかれる」というのは状況ではなく「解釈」です。この「解釈」から、「怖い」、「不安」といった感情が出現してくるのだと思われます。
正面から女性が歩いてきます。その女性はこちらの方を見ています。 すれ違いざま女性が笑ったように見えました。
何か嬉しくなって、うきうきした気分! 彼女は自分を見て微笑んだ。 彼女は自分に好意を持っている。 自分はモテるんだ。
なんか暗い気持ち。 彼女は自分を見て蔑んだ笑いをした。 彼女は自分を軽蔑している。 自分は通りすがりの人に軽蔑された。
A君もB君も意識的にそういう考え方をしたわけではありません。 むしろ勝手にそういう気持ちになってしまったというのが妥当なところでしょう。 しかし、その背後にはさまざまな思考が働いています。 そしてその思考は感情に影響を与え、その人の生活全般にわたって影響を与えます。
このように自動的にあらわれてくる思考を「自動思考」と言います。 通常の生活では、自動思考が意識されることはほとんどありません。同じ状況におかれても、自動思考は人によって千差万別で、この思考が自分自身あるいは外界の全てのことを解釈する際に大きな役割を果たしています。
このケース、A君は、自分は女性にモテるのだと友人に吹聴して失笑を買い、B君は落ち込んでいるのを心配して理由を尋ねた友人に大笑いをされてしまった、という程度であるなら単に笑い話ですむのですが、実際には「抑うつ状態」というようなかなり大きな問題となることもあるのです。
昇進した→責任が重くなる→部下の管理をしなければならない→ 自分は管理能力はない→以前から人付き合いは下手だった→ うまくできるわけがない→部下はみんな馬鹿にするだろう→ 上層部は自分の評価を下げるだろう→・・・。 といったような思いが、 頭の中を駆け巡ってうつ病になるというケースもあります。
普通に考えると、それなりの評価があった結果昇進した(させられた)わけですから、自分を卑下する必要もなく、こんな思考にはなりそうもありませんが、実際によくおこることなのです。
抑うつ状態の人は、物事を悲観的に取る場合が多いことが知られています。いったん抑うつ状態になってしまうと、この傾向が一層強くなります。「悪い方に解釈する」傾向が強くなると、物事を客観的に判断する能力が損なわれてしまいます。すなわち「悪い側面」ばかりに焦点が当たってしまうようになるのです。「そういう風に考えるな」と一喝できれば良いのですが、そうもいきません。 そのような傾向の方は、一度カウンセリングを受けてみることをおすすめします。
うつ状態にもさまざまな種類がありますが、薬物療法はそれを直す強力な選択肢のひとつです。 種類によっては心理カウンセリングよりも薬物療法を最初に考える方が適切な場合もありますから、「抑うつはすべて考え方次第」などという誤った解釈をせずに、専門医に相談するとよいでしょう。