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認知(考え方、解釈の仕方)をかえれば、 心理的な状況もかわるのか? 答えはイエスです。
早速、プラス志向の認知にする 練習といきましょう。
まず、紙を横向きに用意し、上のような表を作ってください。 そしてこの1週間、あるいは、1ヶ月の間で、対人関係で感情が強く動いたことを思い出してください。 よい感情ではなくて、悪い感情です。それを「感情」の欄に記入します。 たとえば、「不安」でもいいし、「怒り」でもいいし、「後悔」でもいいし、「緊張」でも構いません。 上の表には、とあるBさんの書き込みを残しておきましたので、参考にしてください。
ここでのコツはできるだけ客観的に、主観を交えずに記載することです。たとえば、最初「自分が朝早く仕事をしていると、Cさんが邪魔をしにきた」とBさんは書いたのですが、「Cさんが邪魔をしにきた」というのは、Bさんの主観的な解釈であり、Cさんが本当に邪魔をするつもりであったかどうかはわかりません。
その瞬間の感情を記載してください。Bさんの場合、Cさんが朝早く話し掛けてきたときは「イライラ」したのですが、夜家に帰ってみるときは「怒り」と「後悔」でした。どちらを取り上げてもいいのですが、ここでは朝の「イライラ」を取り上げることにします。
間違えるのことが多いのは、「思考」に「感情」が混じる(たとえば、「イヤだと思った」;「イヤ」は嫌悪感といった感情です)ことと、「連想を記載してしまう」ことです。連想というのは、Bさんの例にいうと、「Cさんはこんなことで悩んでいるなんて馬鹿みたい」とか「いつまでたってもCは成長のない奴」といったことです。その状況と感情からの連想ではなくて、その瞬間に限って下さい。
自動思考とは、文字通り自動的に出てくる思考のことです。意識して考えているわけではありません。 それゆえ、その人の考え方の癖が反映されやすいと思われます。自分の癖は自分ではなかなかわからないものですし、ましてや考え方となると、よほど自分の内面に意識を向けていないと難しいでしょう。さて、さきほどの表を縦に並べかえ、「思考」欄についてはBさんが一番ぴったりくると判断したもの以外をすべて削除しました。
自動思考を見つけるには、思考をもっと大袈裟にすることがコツです。 たとえば、「いかなる時でも」、「どのような人に対しても」、「絶対に」等の言葉を「思考」に加えて、 単純で断定的、かつ、一般的な文章にしていくことです。 いかがでしょうか?ちょっと笑ってしまえませんか?
そうです。「自動思考」は笑ってしまえるほどあり得ない内容で結構です。われわれが通常思考している背後にあるものを言葉にしてみると、このような文章になるのではないかということです。ですから、本当にその人がそう考えているというわけではありません。この状況でイライラするというBさんの感情の背後には、このような一種のプログラムが働いていると考えた方がいいかもしれません。
このセクションが今回の一番のポイントです。「自動思考」が見つかったら、本当にそれが正しいのか考えてみましょう。多くの方は「自動思考」を見つけた際に思わず笑ってしまいます。何て馬鹿げたことを私の頭は考えているのだろう!といったところです。 したがってすぐに、この「自動思考」が正しいわけではないとわかるでしょう。
次に、この状況をどのように解釈し直したら、もっと自分が楽になるのかということを考えます。 それを「別の考え方・解釈」の欄に記入します。正解はありません。 常識的で、気楽になり、建設的になれるのならどのような考え方でも結構です。
いかがでしたか?通常こういった認知修正トレーニングを行う場合には、セラピストと一緒に「状況」の記載の仕方を話し合ったり、「思考」や「自動思考」を考えたり、「別の考え方」について話し合ったりしていくので、ひとりでやるとわからない部分が少し出てくるかも知れません。でも、勘のいい人なら、これだけの説明でも、自分の考え方の癖に気づき、修正することも可能でしょう。
あとは、今日1日を振り返って、嫌な感情が出現した際の、「状況」、「感情」、「自動思考」、および、「別の考え方・解釈」を、繰り返し記載していくだけです。そうすることによって、以前なら単に感情が出ていただけの状況でも、自然と「別の考え方・解釈」が出現するようになってきます。