派遣で働く攻略ガイド:法律について

 派遣法
  
  法律に関する疑問にお応えいたします。
  −お仕事の開始に伴って、契約書はもらえるのですか?
  はい、お仕事をスタートするにあたり、あらかじめ、労働条件・就業条件など法律で定められた事項を記載した労働者派遣契約書をお渡ししています。

派遣元(=派遣会社)が、労働者派遣をしようとする場合は、その派遣労働者に対して、労働者派遣をする旨と派遣労働者に関する就業条件を書面で明示しなければならないと労働者派遣法で定められています。

ただし、急遽派遣が決定したような場合で、あらかじめ、書面で交付することができない場合は、書面以外の方法で明示すれば良いこととなっていますが、この場合でも、派遣労働者から派遣開始の日より前に請求があった場合や、派遣の期間が1週間を超える時は、派遣開始後、すみやかに明示する必要があります。
  −一つの派遣先で、いつまで働くことができますか?
  仕事の内容によって、派遣先の派遣労働者の受け入れ期間に制限があるため、その制限を超えない範囲内で働くことができます。

労働者派遣法では、同じ派遣先事業所での同一業務における派遣労働者の受け入れ期間について、以下のように定めています。

26業務 派遣期間は無制限
■26業務以外の業務  

派遣期間は3年

※1年を超える場合は派遣先労働者の過半数代表の意見聴取が必要
※日数限定業務、産前産後、育児休業等を取得する労働者の業務等は制限なし
※港湾運送、建設、警備業務は法令で派遣が禁止されているため、含まれない


この場合、同じ事業所とは、課、部、事業所全体など、他の部署から独立していて、経営単位として人事、指導監督、労働の態様等において相当の独立性を有すること、一定の期間継続して、施設としての持続性を有することなどの観点から判断されます。

従って、もしあなたが、ある派遣先に派遣期間の制限が3年の業務で派遣された時、同一の事業所に同一の業務で2年間携わっていた派遣社員の前任者がいた場合には、上記の判断基準に照らし、原則的にあなたの派遣就業期間は1年と制限されます。この期間の算定の基準となる日(=派遣受入期間の制限に抵触する日)については、就業がスタートする際にあなたに交付される就業条件明示書などで通知されます。

なお、派遣労働者の受け入れ期間の制限に関連して、労働者派遣法では、派遣先に派遣労働者の「雇い入れ義務(=雇用契約の申込み義務)」と「雇用の努力義務」というものを定めています。

まず、派遣労働者に対する「雇用の努力義務」とは、派遣先がある業務(派遣受入期間の制限のない26業務を除く)で、同一の派遣労働者を派遣受入期間の制限の範囲内で1年以上受け入れ、その派遣労働者の派遣契約が終了した後も、同一業務で引き続き他の労働者を雇い入れようとする時は、その派遣労働者が以下の(1)・(2)の要件を満たす場合に、優先して雇い入れるよう努めなければならないとされているものです。

  (1)派遣期間の終了する日までに、派遣先に直接雇用され、同一の業務に従事したいと申し入れた場合。
  (2)派遣元(=派遣会社)との雇用契約が、派遣期間が終了した日から起算して7日以内に終了した場合。
    (※簡単に言えば、7日以内に次の派遣就業がスタートしない場合。)

次に、派遣労働者に対する「雇用契約の申込み義務」とは、派遣先が派遣受入れ期間の抵触日を越えて、引き続き同一の業務で、その派遣労働者を使用しようとする場合で、その派遣労働者がその派遣先に雇用されることを希望する場合は、抵触日の前日までに、その派遣労働者に対して、雇用契約の申込みをしなければなりません。

また、派遣受入期間に制限のない26業務についても、同じ派遣先事業所の同一業務に3年以上派遣されている派遣労働者がいる場合で、その派遣先事業所が、いままでその派遣労働者が行っていた業務を担当させるため、新たに従業員を雇用している場合は、優先的にその派遣労働者に雇用契約の申込みをしなければならないとされています。

従ってもしあなたが上記の条件に当てはまる場合で、その派遣先でずっと働きたいという場合には、その派遣先に直接雇い入れてもらうことができます。
  −残業した場合、残業手当は支給されますか?
  はい、労働基準法にて定められた法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて就業した場合は、通常の賃金の25%以上の率で計算された割増賃金が支払われます。また法定労働時間内であっても、派遣元(=派遣会社)との労働契約によって、所定時間外労働に関する別段の定めがある場合には、所定の労働時間を超えた分について割増賃金が支払われます。

労働者派遣法では、派遣元(=派遣会社)に対し、「労働基準法等の労働者保護法規に基づく責任」を求めています。その中で労働基準法に基づいて派遣元(=派遣会社)が責任を負うべき事項として、派遣労働者への賃金の支払い義務を定めており、労働基準法で定める法定労働時間を超えて労働させた時は、通常の賃金の25%以上の率で計算した割増賃金を支払うよう義務付けています。

なお、労働者の賃金、所定時間外労働の条件については、派遣元(=派遣会社)と派遣労働者が結ぶ労働契約において決定されます。労働条件は、労働基準法等に定められた労働条件を上回るものであれば、原則として当事者間で自由に決めることができ、その内容は、労働者派遣契約書などで通知されます。従って労働契約において、所定時間外労働の条件が取り決められている場合には、法定労働時間を超えない所定時間外労働であっても、割増賃金が支払われます。ただし、この割増賃金の算定基準となる率については、法定外であり、当事者間で決定されるため、25%以下となる場合もありますので、お仕事を受けていただく際に派遣元(=派遣会社)に十分確認を行って下さい。例えば、就業時間:9時00−17時30分(休憩時間60分/実働7時間30分)、所定時間外労働が1日7時間30分と定められている就業条件のもとで19時00分まで勤務した場合、18時00分を超えて勤務した分については、通常賃金の25%の割増賃金が支払われますが、17時30分から18時00分まで勤務した分については、派遣元(=派遣会社)と派遣労働者の間でかわされた所定時間労働に対して支払われる割増賃金率で計算されることとなります。

また、関連する事項として、所定時間外労働のほか、法定休日に労働させた場合には通常の賃金の35%以上の率、深夜22時から翌朝5時までの深夜に労働させた場合には、通常の賃金の25%以上の率で計算した割増賃金が支払われ、法定を超える所定時間外労働が深夜労働にあたる場合には50%、法定休日労働が深夜労働となる場合には、60%以上の割増賃金が支払われます。 
   
  −派遣先の社内にあるロッカールームや社員食堂を使うことはできますか?
     
    労働者派遣法では、派遣先に対し「適切な就業環境の維持、診療所、給食施設等の施設で、実際に派遣先の正社員や契約社員などが通常利用しているものを派遣労働者が利用できるよう便宜を図るなど、必要な措置を講ずるよう努めなければならない」として福利厚生施設の利用を制限しないように求めています。

また、派遣先が派遣労働者を受け入れる際は、利用できる福利厚生の内容について説明する機会を設け、かつ派遣元(=派遣会社)が派遣労働者のために、派遣労働者と同じ業務についている派遣先の従業員の福利厚生に関して情報提供を求めた場合、派遣先はこれに協力しなればならないとしています。

派遣先で利用したい福利厚生施設や制度はあるが、使うことができるか分からないといった場合には、お気軽に弊社の営業担当者にお尋ねください。
   
  −事前に聞いていた業務とは違う業務を任されたのですが?
     
    人材派遣は、派遣労働者と派遣元(=派遣会社)が雇用契約で定めた業務を派遣労働者が派遣先で行うものです。派遣労働者の行うべき業務は雇用契約書や就業条件明示書(派遣法34条)に記載されており、また派遣先と派遣元(=派遣会社)との間の個別契約書にも定められています。

従って、派遣先は、契約外の業務を派遣労働者に命じることはできませんし、正社員の嫌がる仕事などを派遣労働者にあれこれと押し付けることもできません。実際の業務が聞いていた業務と違う場合には、派遣先の企業に就業条件の確認を行いますので営業担当またはコーディネーターにご連絡ください。
   
  −派遣先責任者から残業を命じられたのですが、就業条件明示書に記載された時間外労働の上限時間を超えて、残業することができますか?
     
    派遣先は、就業条件明示書に記載された時間外労働の上限時間を超えた残業を派遣労働者に命じることはできないため、その上限時間を超えた残業に応じる義務はありません。しかし、派遣元(=派遣会社)とその事業所の労働者の全体の過半数の代表者との間で結ばれた時間外労働および休日労働に関する協定(通称36協定)によって、協定内での上限時間まで残業することが可能となります。

しかし36協定を結んでいるからといって、会社は従業員にいくらでも残業を課して良いものではなく、労働基準法によって時間外労働の上限が定められており、その範囲内で協定を結ばなければなりません。もし、この上限を超えて36協定が結ばれていたとしても、その協定は無効です。労働者派遣法において36協定は、派遣元(=派遣会社)と労働者の間で結ばれることになっており、派遣先の36協定が適用されるものではありません。

【時間外労働の上限】
期間 限度時間
1週間 15時間
2週間 27時間
4週間 43時間
1ヶ月 45時間
2ヶ月 81時間
3ヶ月 120時間
1年間 360時間
   
  −就業規則は、派遣先の就業規則が適用されるのですか?
     
    いいえ、派遣労働者は、派遣元(=派遣会社)と雇用契約を結んでいるため、派遣元(=派遣会社)の就業規則が適用されます。 派遣労働者には派遣元(=派遣会社)で定められた就業規則が適用されます。

従って派遣先の就業規則で定められた労働条件は、派遣労働者には適用されません。派遣労働者に対する労働条件は、労働者派遣契約が結ばれた際、派遣元(=派遣会社)より派遣労働者に交付される就業条件明示書に記載されている条件が適用され、派遣先の指揮命令もその就業条件明示書に記載されている条件の範囲内で行われることになります。
   
  −派遣先の指揮命令者から就業時間を変更して欲しいと言われたのですが?
     
    派遣労働者の雇用契約は、派遣元(=派遣会社)と派遣労働者の間で結ばれています。また、労働者派遣法において、派遣元(=派遣会社)は、派遣労働者に対して就業時間などの就業条件を書面で明示することが義務付けられています。その書面は、就業条件明示書などといった形で交付され、その雇用契約における就業時間は、そこに記載されている就業時間となります。

従って直接雇用関係にない派遣先の指揮命令者によって、就業時間の変更をお願いされたとしても、その場で変更に応じず、まずは派遣元(=派遣会社)の営業担当者やコーディネーターにご相談ください。派遣先は、派遣元(=派遣会社)に対し、就業時間に関して労働者派遣契約の変更を申し入れ、派遣元(=派遣会社)が、派遣労働者に就業時間の変更の申し入れをして受領された上ではじめて、就業時間が変更されます。
   
  −日雇派遣とはどのようなものですか?
     
    日雇派遣とは、日々又は30日以内の期間を定めて 派遣元に雇用される派遣労働者(以下「日雇派遣労働者」)をいいます。2008年4月1日より厚生労働省は、このような日雇派遣に関して新たな指針策定と労働者派遣法施行規則の改正を行いました。

派遣労働者にかかる主な内容は、労働者派遣契約に定められた就業条件を確保するため、派遣元は、定期的な派遣先の巡回、派遣先は、就業場所の巡回や指揮命令者からの就業状況の報告により就業条件を確保することになりました。また、日雇派遣労働者の労働・社会保険の適用の促進および適切な手続きが盛り込まれています。その他、派遣元から日雇派遣労働者および派遣先に対しての労働者派遣の関係法令の周知、安全衛生の措置、情報の公開などの事項があります。
(2008年4月1日施行)
     
  関連リンク⇒派遣元の情報公開について